ここに2つの驚くべきfacebookの統計がある。一つは、アメリカのfacebookユーザーのうちなんと1300万人が、facebookに存在する個人情報の設定ツールを一度も確認したことがないか、その存在すら知らないというのだ。
もう一つは、実際に設定をおこなって第三者に個人情報を開示するレベルをコントロールしたことがあるのは、たった37%のユーザーということだ。これは、アメリカを代表する消費者関連雑誌、「コンシューマー・レポート」が今年5月上旬に発表した調査結果である。
facebookのユーザー数は、すでにほとんどの国家人口を超える9億人であり、個人情報初期設定が他人との情報のシェアにかなり寛容なものになっていることを考えると、設定を見直す必要があるユーザーは世界にあふれているに違いない。
2〜3ヶ月前に、われわれはfacebookのセキュリティ設定、そしてどうやって多面的な防御策をとるかについて解説した。本記事では、あなたのデータプライバシーのコントロールについて詳しく述べることにする。
個人情報設定を調整することにより、誰があなたのデータにアクセスできるかをコントロールすることができるため、あなたのソーシャル・ネットワーク体験の質が高まり、問題を未然に防ぐことができるようになるのだ。
どう自らを守るのか
facebookにログインし、ページトップの「Home(ホーム)」下のプルダウンメニューから、現在のプライバシー設定を確認、そして変更できるようになっている。私のページはこんな具合だ。
あなた自身の「Privacy(プライバシー)」ページに到達すると、初期設定の「Public(パブリック)」に設定されたままになっているかもしれない。我々のオススメの設定を以下に記載する。
この設定は、シェアに関する広範な初期設定として意図されているものだが、ここで基本的な範囲を決めても、「インライン・オーディエンス・セレクター」を使って、サイトの特定のアイテムに関して設定を微調整することができるということをまず理解してほしい。
おわかりと思うが、「Custom(カスタム)」を選択して自分のニーズに合った調整を施すのがよい。「Custom」の「初期設定」はこのようになっている。
この初期設定は大多数の人間にとって広すぎるので、私の場合は、初期の「Visibility(視界)」を「Only Me(自分のみ)」に変更する。「インライン・オーディエンス・セレクター」を使えば、アイテムごとに「Visibility」を広げることができることを忘れないでほしい。あらかじめ絞った設定にしたので、あなたのプライバシーはこれでより安全になったといえる。
シェアをしたくない人のリストを特定して設定するという方法もある。いわばデータシェアのブラックリストともいうべき性格のものだ。ある特定の情報をほとんどの人とはシェアしたいが、特定の人にはシェアしたくないといった場合に有効だ。
この設定を選択すると、スクリーンショット上で黄色に囲まれたような、以下のような注意書きが提示される。「Note: Anyone tagged can also see the post. (タグされた人はすべてこの書き込みを見ることができる)」
すなわち、たとえば写真の中である人を「Tag(タグ)」した場合、その人とシェアするという設定をしなくても、初期設定ではシェアされてしまうという結果になるので注意が必要だ。
次に、他人があなたのプロフィールにどのようにアクセスできるのかについてみてみたい。まず「Privacy Settings」設定のメニューのなかで、「Edit Settings(設定編集)」を選択する。
初期設定が、すべて「Everyone(全員)」になっているのがおわかりと思う。
私はこの初期設定が広範囲すぎると思うので、以下のようにもう少し絞る。
この設定により、私のプロフィールはもう少しプライベートになる。「Privacy」のトップページに戻り、「(Profile and Tagging)(プロフィールとタッギング)」をみてみよう。
次に、あなたのウォールに誰がポストできるか、プロフィール内にタグされた書き込みを誰が見られるのか、などの設定をもう少し絞ろう。以下が初期設定である。
私は、「Friends (フレンド)」だけにコンテンツをシェアしたいと思っているので、次のように設定変更をする。
読者の中にはさらに、「Review posts fiends tag you in before they appear on your profile(友人があなたよタッグする書き込みをみて、プロフィールに追加することを手動承認にする)」ことにより、誰が自分のプロフィールに追加できるかをコントロールしたいと考えるむきもあろう。
次に、自分の過去の書き込みのシェアに制限をかけることができる。たくさんの書き込みがある人はそうしたいと思うかもしれないし、情報のシェアをよりコントロールできる。
このセクションを編集しようとすると、過去の書き込みのシェアが制限されますよがよろしいですかという主旨の「警告文」が出てくる。この変更はグローバルな包括的な変更であり、プロフィール全般への適用に本当に同意するかの確認である。グローバルな変更をせず、いくつかの書き込みのプライバシー設定だけを変更するという選択もできるからである。
この場合グローバルな変更が自分の意図に沿ったものなので、この警告文は無視してかまわない。「Limit Old Posts (過去の書き込みを制限する)」という選択肢を選択すればよい。この変更を行うと、簡単にもとの状態には戻せないので、さらに確認のプロンプトで再確認を求められる。
次に、「ブロックする人とアプリ」、いわばブラックリストについてみてみることにする。
「Manage Blocking(ブロックの管理)」のリンクをクリックすると、以下のダイアログ・ボックスが開く。
この機能は、友人のリストの中の特定の人とのやりとりがぎくしゃくしてきた場合に使用すると有効だ。また、ある特定のユーザーを「Restricted List (制限リスト)」にいったん加えると、その人にはブラックリストに載せた事実も通知されず、余計な詮索も防ぐことができる。
サマリー(要約)
以上の設定変更により、自分の個人情報の意図しない拡散を防ぐ基本は押さえられることになる。ただし、facebookはセキュリティ・プライバシーの設定環境を頻繁に変更するため、そのつどわれわれとしてはあなたにその変更のアップデートを行っていきたいと考えている。
以前のセキュリティに関する書き込みと、今回のプライバシーに関する初歩的な書き込みを活用すれば、意図に反するあるいは予想外の個人情報の拡散を防ぐことができるようになる。この書き込みへの感想や、facebookのプライバシーに関する有用な意見をお持ちの方は、是非コメントを残していただきたいと思う。
出典:blog.eset.com