2012年7月23日月曜日

Wi-Fi無線ルーターへのハッカーの外部侵入は可能か?

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クリスマスに新しく購入したパソコン用の無線ルーター。「早速、利用を開始」とその前に、無線に関するセキュリティを事前に確認することをお勧めします。

WEPやWPA、WPA2、またその他のセキュリティオプション等のご利用をご検討中でしょうか。

もちろんデフォルトの標準仕様を選択すれば簡単にセキュリティ設定が可能ですが、残念ながらそれはみなさんご自身で日々進化するウイルスの侵入を手招きしているようなものなのです!そして最新のWPSハッキングツールReaverとは一体どのようなものか、果たして事態を悪化させているのではないでしょうか?

※WPSとは、Wi-Fi Protected Setup(ワイファイ・プロテクテッド・セットアップ)の略語で、無線LAN機器同士の暗号化設定を簡単に設定する規格のこと。


無線LANはやっぱり便利
最近ではご自宅の壁にわざわざ穴を開け、カテゴリー5または6のLANケーブルを配線し、フェイスプレートを設置するといった面倒を避けるため、無線通信を利用するケースが非常に増えてきています。

また、アパートやその他の似たようなタイプの賃貸に住んでいる場合、壁に穴を開けたり何かしら手を加えたりすることは、当然ながら、家主にとってはあまり好ましいことではありません。

ですが、壁やドアに遮断される心配もなく広範囲をカバーできる無線ルーターや、また最新の無線ルーターを使用することでご自宅内どこででも接続可能となり、どなたでもインターネットの利用が可能です。

ご自宅内のあらゆる場所で、そして“だれでも”インターネットを利用いただけます。

しかしその“だれでも”というのがたまたま通りかかった赤の他人だとして、あなたのインターネット接続を許可なく無断利用しているとしたら?それはあなたの自己責任となってしまうのでしょうか?


ニューヨークで起こった不幸な事件
ニューヨーク州のバッファローで最近、「近所の人が無線ネットワークを不正利用して悪質な行為を行っていたため、何も知らない(驚かされた)住人の自宅に警察が押し入り容疑がかけられた」という不幸な事件がありました。

実際に、たった一つのパスワードを覚えるだけにも関わらず、多くの方がご自身のWiFi保護の為のパスワードを設定していないというのが現状なのです。そして近隣住民の方はそこまで悪気があってやっている訳ではないと思いますが、彼らがあなたのインターネット接続を利用することで回線が混み合ったり、万が一にも有害ソフトの被害に遭ってしまった場合、あなたのご自宅のすべてのコンピュータにまでその被害が拡散し、願ってもいない悲劇を招くこととなるのです。

そこで、WEP(Wired Equivalent Privacy: 無線通信における暗号化技術)のご利用をお勧めします。WEPを使用することで、パスワード無しでセキュリティ管理の改善を図ることが出来ます。

車に例えて考えると、そこには車があり少なくともドアはロックされています。ドアをロックしてもそれが決して最善の防犯とは言えないかもしれませんが、ドアのロックもせず泥棒に開放していることを思えば、まだ良いと言えるでしょう。ロックがかかっていることで泥棒は諦め、もっと容易に盗みに入れる場所を探そうとするのです。

しかし、万が一それでも泥棒がロックを解除しようとした場合、残念ながらWEPのセキュリティはいとも簡単に破られてしまうのです。最新のツールを使えば、WEPは数分の間に簡単に解読されてしまいます。つまりあなたのご自宅のネット環境は保護されている、といった感覚は間違っているのです。というわけで、よりセキュリティ性の高いWPAという最新のルーターを見てみましょう。

WPA(WiFi Protected Access:無線ネットワークの暗号化方式の規格)に関してはよりハッカーの侵入が難しくなっています。

また、WPA2は後に追加され、ご自身のコンピュータからルーターへ発信される通信を利用した暗号によって、より強力にセキュリティ強化されています。

その為、他人が無断であなたの意図した場所以外でのインターネット通信を傍受したり、悪徳利用したりするのをより困難にします。

もし選択の余地があるならば、断然WEPではなくWPAのご利用をお勧めします。そしてもちろん、WPA2を選択できるのであればWPA2に越したことはありません。

また、ルーターの種類によってはTKIPやAESがご利用頂けるものもあり、その際はより安全性、そして有効性の高いAESのご利用をお勧め致します。


WPAを解読してしまうReaverの脅威
しかし現在、Reaverと呼ばれる新たなツールによってWPAもまた、解読可能となってしまっています。

Reaver はWiFi Protected Setup(WPS)と呼ばれるより短いパスフレーズ(英数字と記号の組み合わせ)が入力可能な多くの新型無線ルーター用ツールの解読が可能なのです。

また、より短いパスワードが使用されているため、可能なパスワードを手当たり次第試すことで、力ずくでシステムの解読を試みるのです。そしてこれは多くのモデルの無線ルーターに多大なる影響を及ぼしている為、製造会社は一旦完成したプログラムの一部修正を行なっているのが現状です。

現在の段階では完璧なセキュリティというものは無く、常に追いつ追われつといった「いたちごっこ」状態です。ネットワークセキュリティを扱う者にとって、セキュリティの突破口が常に厄介なものとなり、Reaverが示すように、ネットワークデザイナーは未だにパッチを常に最新なものに保つため、身を粉にして働いています。

しかし、彼らが解決策を模索するのに没頭する一方、WPA2はその他の古いもの比べればはるかに安全であり、また使用方法も非常にシンプルです。見知らぬ誰かがあなたの無線ネットワークに侵入しようとした際、ルーターにWPA2が装備されていた場合、彼らは他のネットワークに狙いを変えるでしょう。それはきっと全くセキュリティーの保護がされていないあなたの隣人のルーターに違いありません。


出典:blog.eset.com
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