2012年10月30日火曜日

アズ・ゲールグ(as Gaeilge)と呼ばれるアイルランドウイルスに関するレポート

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『アイリッシュ・タイムズ』のレポートによると、アイルランド語で書かれたウイルスが、初めて見つかったようです。(詳細は『ドネガル・デイリー』で。)

実際は、パソコンウイルスとは呼べなさそうな代物です。自分で増殖するかどうかも分かっていません。よく見かけるランサムウェアの一種と言えます。被害者が持っているコンピュータをフリーズさせてメッセージを表示し、フリーズを解除したければお金を払えと要求してくるパソコンウイルスです。

しかしながら、今回の手口はちょっとだけ違います。最初に被害者は、ポルノのページにアクセスしたと、あるいはしたかもしれないと警告されます。そして被害者の持っているパソコンが、アイルランド政府の関係機関によってロックされます。

警告メッセージは間違いなくアイルランド語ですが、専門機関から届いたメッセージのわりに、自動翻訳機が使われたような不自然な印象があります。メッセージにはアイルランドの国旗が入ったロゴも使われているので、文体の不自然さはさておき、公的なメッセージだと言う印象があります。官僚たちが書く文章は必ずしも美しいとは限らないので、不自然な文章もそれっぽく見えます。


■ アイルランド語で書かれた初のパソコンウイルス「アズ・ゲールグ」

レポートを見る限り、このマルウェアは「アズ・ゲールグ」もしくは単に「ゲールグ」と呼ばれています。ですが、これはマルウェアに付けるには好ましくない名前です。私が知る限り、この呼び名はアイルランド海の沿岸で使われているアイルランド語を意味します。将来的に「アイリッシュ・ウイルス」と勘違いされるのではと恐れているのです。

例えば「アイリッシュ・ウイルス」は、次のような手口を使います。

 あなたは「アイリッシュ・ウイルス」に感染してしまいました。
 このウイルスは、深刻な影響を与えます。ハードディスク上にある
 全てのファイルを手動で削除してから、
 連絡先を知っている人全員にこの話を教えてあげてください。

(信じるかどうかは別として、ウイルス対策を行なっている会社のWebサイトは、この種の手口を紹介し、メールを送って被害を拡散してはいけないと読者に対して警告しています。思うにこうしたセキュリティ会社は、パソコンの利用者を頭から信頼していないようです。ESETは信頼していますが。。)

他にも「アイリッシュ・ウイルス」という単語に意味はあります。しかし、ITのセキュリティには何も関係のない話です。アイルランドの国そのものに向けられた非礼な使い方なので、これ以上は取り上げません。

ちょっと不思議に思うかもしれません。直接的に関係のない話ばかりを取り上げて、現実に起きている問題を取りあげていないのですから。。ですが、今までのところセキュリティ会社の突き止めた詳しい情報が何もないのです。詳細を私も知りません。

仮に、実際の「ゲールグ」を見かけた人がいて、どこかのアンチウイルス会社に情報を提供しても良いと言う人が居れば、これ以上ないくらいに嬉しいです。

「ゲールグ」を見てみたいからです。提供先がESETでなくても構いません。アンチウイルス業界では、嫉妬して競合他社との情報共有を拒むような会社はありません。仮にその情報が自社の優位性を高めてくれる内容であってもです。

ちなみに、ESETには情報提供に関する(すごく簡単な)応募フォームがあります。みなさんからの情報提供を待っている間も、アイルランドESETにいる友達のアーバン・シュロットと彼の同僚たちが、この問題に関して調査を進めています。もし何か補足すべき点あれば、追加で報告します。

以前に我々が手がけたテーマにも興味があるかもしれません。アイルランド語による419詐欺の話です。こちらを参照下さい。


出典:blog.eset.com
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