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普段、何気なく使っている無線LAN、Wi-Fi、そして公衆無線LAN。
あれっ、この三つって同じものを指すんでしょう? と思っている方も多いはず。
いえいえ、実は違う意味だってご存知でしたか? 今回は「無線LAN」と「Wi-Fi」、「公衆無線LAN」の違いについてご説明します。
■無線LAN=ケーブルレスなローカル・エリア・ネットワークのこと
まず「無線LAN」は、その名の通り、無線で繋ぐLocal Area Networkのことです。かつてコンピュータ同士をネットワーク化するにはLANケーブルで繋ぐ必要がありましたが、無線LAN機器を使うことでケーブルレスで接続できるようになったのが、無線LANです。
つまり、インターネットに繋がっていないオフィスや家庭の小規模LANでも、無線であれば「無線LAN」と言えます。
■Wi-Fiとは、無線LANの一規格名だった!!
次に「Wi-Fi」ですが、これは無線LANの一規格で、米国Wi-Fi Allianceという業界団体が管理しているブランド名です。
そもそも無線LANが生まれた当初は、同じメーカーの製品でも無線LANでの相互接続が保証されていませんでした。それでは困るので、異なるメーカーの製品同士でも相互接続できるとWi-Fi Allianceが保証した機器だけに、Wi-Fi規格を認定し、パッケージ等へのロゴの表示を許可したのです。
「Wi-Fi」のロゴマークがついている商品を購入すれば接続ができると保証されているのは、ユーザー側にとっては嬉しいポイントです。
逆に、Wi-Fi Allianceの審査を受けていない製品は、たとえ無線LANができても、Wi-Fiを名乗ることはできません。また、Wi-Fiはブランド名なので、WIFIやWiFiと書くのも間違いなのです。
■公衆無線LAN ≒ Wi-Fi もしくは、Hotspot !?
一方、「Wi-Fi」と混乱しやすいのが「公衆無線LAN」でしょう。
これは、無線LANを利用したインターネット接続を提供するサービスのことで、たとえばカフェや公共施設がアクセスポイントを公開していたり、ISP(インターネットサービスプロバイダ)や公衆無線LANサービス会社が設置していたりするものですいわゆる「ソフトバンクWi-Fiスポット」「BBモバイルポイント」などがこれにあたります。
公衆無線LAN同士でも、接続の規格がそれぞれ異なると厄介なので、こちらもWi-Fi規格が適用されます。日本ではおおよそほとんどの公衆無線LANがWi-Fi規格に則っているので、自社の公衆無線LANサービスのことを、呼びやすいWi-Fiというネーミングを使う企業・団体が多いようです。
また、海外では公衆無線LANという言葉はあまり普及しておらず、Wi-Fi、hotspotと呼ばれることが多いのも、日本で公衆無線LANとWi-Fiが混同される一因になっていると言えます。
ちなみに日本でhotspotというと、NTTコミュニケーションズが提供する公衆無線LANサービス「HOTSPOT」のことを指してしまうので、混乱する外国人旅行者もいるそうです。
これらの「無線LAN」「Wi-Fi」そして「公衆無線LAN」を別の例でたとえるならば、「無線LAN」は野菜全般、「Wi-Fi」はオーガニック野菜(名乗るには特定機関による認定が必要)、「公衆無線LAN」は、有機農法で作られた野菜(認定されていなくても、通称で「オーガニック野菜」とか「有機野菜」と呼ばれる場合がある)、といった感じでしょうか。
まあ、普段は使い分けをしなくても通じる場合が大半なので、あまり神経質にならなくても大丈夫です。打ち合わせや飲み会の小ネタに使ってみてくださいね。