2015年7月1日水曜日

Excelが遅いな、Excelファイルが重いのかな、と思った時に、まず確かめてほしい3つの原因とその対処法を紹介

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仕事やプライベートで活躍するMicrosoft Excel。

毎日使っていても知らないうちに起動や動作が遅くなったり、メモリ不足のエラーが表示された経験はありませんか?


Excelでは、同じファイルで操作を繰り返していくと、ファイルサイズが大きくなり、動作が遅くなる傾向があります。オブジェクトやシート、画像が多かったりするとファイルサイズが肥大化し、複雑な数式や自動保存等を設定していると動作させるのにメモリが必要になためです。隠れてしまったオブジェクトなど、人間が見つけにくいところでファイルサイズが大きくなっている場合もあります。

今回は、Excelが遅いな、Excelファイルが重いのかな、と思った時に、まず確かめてほしい現象と対策を解説します。

現象1:起動や動作が遅い

原因となる対象を削除して解決するものや、設定を変更して改善するものがあります。また、複数組み合わさって発生することもあるので、すべてをチェックしてみることをオススメします。

対象 原因 チェックポイント 対策
行・列の数 行数、列数が多い。 不要な行・列がありませんか?シート内の行・列はできるだけ少なくします。 Ctrlキーを押しながら、Endキーを押すと、最下部右側のセルを表示するので、そこから行ごとに不必要行を削除してみてください。
オブジェクト 知らないうちにオートシェイプ(図形)等ゴミデータが溜まっている。 不要なオブジェクトがありませんか? F5キーを押し「セル選択」をクリック、「オブジェクト」にチェックし、[OK]をクリックするとオブジェクトが全選択されます。
シート 隠しシートがある。 シートタブを右クリックし、[再表示]になっている隠しシートがないか探してください。 隠しシートが不要であれば削除してください。
シート数が多い。 シート数が多いと、動作が遅くなります。 ファイルを分割し、1ファイル当たりのシート数を減らしてください。
セルの数式 セル、条件付書式、入力規則、範囲に名前を付けている、ことが多い。 数式が多かったり複雑だったりすると、計算や読み込みに時間がかかります。オートフィルタなどにも影響します。 不要な数式や規則、名前は削除し、できるだけ簡素な状態にします。
条件付書式や入力規則
範囲の名前
セル 数式が多い。 すべての数式が必要ですか? 数式である必要のないものは、「値」で貼り付けすると動作が速くなります。
数式が複雑。 複雑で入れ子なった数式はありますか? 数式はシンプルなものが動作が速くなります。修正可能な数式は簡単にするなどします。
色の設定が多い。 セルを色分けする場合、必要な箇所のみ使用していますか? 無意味な色づけ設定を避けることで動作が速くなります。
画像 画像ファイルのサイズが大きい。 貼り付けたあとに縮小していませんか? 貼り付け場所に最適なサイズのファイルサイズに変更できます。画像を選択したあと、[書式]タブから [図の圧縮] を選びます。
切り取り(トリミング)した部分が比較的大きい。 切り取りで非表示になった部分は必要ですか? 切り取りで非表示になった部分は削除できます。画像を選択したあと、[書式]タブから [図の圧縮]、[図のトリミング部分を削除する] を選びます。
画像をコピー&ペーストで貼り付けた。 コピー&ペーストで画像を貼り付けると、容量が大きくなります。 [図]→[挿入]でファイルを貼り付けると、容量が軽くなります。
グラフ データの保存や修正時、ファイルを開閉する時にグラフのデータを読み込もうとしている。 グラフの元になるデータは、数が多いですか?数式の計算結果を直接読み込んでませんか? グラフに載せるデータはできるだけ少ない数字がいいです。数式を読み込む場合は、直接読み込むのではなく、値を貼り付けたセルを読む方が早くなります。
自動保存の設定 自動保存によりデータが蓄積されています。 5分に1回など、定期的にExcelの動きが一瞬止まりませんか? 自動保存の設定を手動に切り替えられます。手動の場合は、F9キーで手動で読み込みします。
自動計算の設定 オートフィルターや画面切り替えした場合に、動作が遅い。 セルの自動計算を設定していますか? 自動計算の設定を手動に切り替えられます。手動の場合は、F9キーで手動で読み込みします。
ファイル全体が重い Excelのデータ自体が重くなっている。 上記の対処で原因が見つからないですか? ファイル全体を選択して、新規ファイルにコピーをしてみます。

現象2:メモリ不足のエラーが表示された

実際に複数の原因が組み合わさってメモリが不足する場合と、シートの画面サイズが影響する場合があります。

シートが複数あるファイルの場合に、シートの表示倍率が100%でない場合は、シートの画面表示サイズをすべて100%に設定するか、すべての同じ画面サイズにします。

マクロやVBAを動作させている時にも表示される可能性があります。

現象3:突然起動が遅くなった

ExcelやExcelの設定ファイルが壊れている可能性があります。
Excelの設定ファイルを修復すると解決する場合があります。

Excelの設定ファイルを修復する

  • Excel を終了してから次のフォルダを開きます。
    C:\Users\(ユーザ名)\AppData\Roaming\Microsoft\Excel
  • 「Excel●.xlb」があれば、名前を Excel●-bak.xlb などに変更します。
    ※「●」はExcelのエディション(下記Windowsの表を参照)です。
  • Excel を起動し、正しく動作することを確認します。

クイックアクセスツールバーの設定ファイルを修復する

  1. 設定ファイルがあるフォルダを開きます。
    • Windows Vista、Windows7の場合
      C:\Users\(ユーザ名)\AppData\Local\Microsoft\Office
    • Windows XP、Windows 2000、Windows Server2003の場合
      C:\Documents and Settings\(ユーザ名)\Local Settings\Application Data\Microsoft\Office
  2. フォルダ内の「Excel.qat」のファイル名を変更します。
  3. Excelを起動し、正しく動作することを確認します。

根本的な解決のために、できること

Excelの動作が重く感じたり、ファイル容量が大きいのを我慢して、いままでの環境のままソフトウェアを利用するのは、費用や手間、組織の問題があったとしても、作業効率や精神衛生のうえでも望ましいものとは言えません。
「Officeをバージョンアップ」するか「環境自体をクラウド化してしまう」ことで、Excelが抱えている多くの課題を解決することができます。

作業環境をクラウド化してしまう場合


Office365
https://www.microsoft.com/ja-jp/office/365/about/default.aspx
Officeの流れをくむクラウド型オフィスです。データはオンラインストレージのOneDriveに保存されます。アカウント単位の月額プランや永続ライセンス利用プランも用意されています。
場所や端末を選ばずに作業でき、同時編集も可能です。

Google Apps for Work
https://www.google.co.jp/intx/ja/work/apps/business/
1ユーザー月500円から利用できる、Google版のクラウド型グループウェアです。Excelに相当するのは、「スプレッドシート」です。
最近はMicrosoft Officeで保存したファイルとも互換性が保たれており、いつでもどこでもどんな端末でも同時編集できます。

バージョンアップして、新しいMicrosoft Officeを利用する場合

旧バージョンのExcelは、どうしても「サポート終了」というタイミングがやってきます。バグ修正のファイルが入手できなくなったり、製品サポートが受けられなくなったりします。 バージョンアップに抵抗がないのであれば、導入してしまう方がいいです。保存を上位バージョンで行えるようにになると、Excelのファイル容量は小さくなります。 また、Office2013以降はオンラインストレージ(クラウド)にデータを保管できますので、ハードディスクがファイル容量に圧迫されることもありません。

Windows
商品名 エディション 発売開始 サポート終了予定 備考
Office2007 12 2007年1月30日 2017年4月11日
Office2010 14 2010年6月17日 2020年10月13日
Office2013 15 2013年2月7日 2023年4月11日 OneDrive対応。
Office Premium 15 2014年10月17日 同一のPCを使い続ける限り最新バージョンへのアップグレードが受けられる。OneDrive対応。日本国内発売のPCのみにプリインストールで搭載されるソフト。
Mac
商品名 エディション 発売開始 サポート終了予定 備考
Office for Mac 2011 14 2010年10月27日 2016年1月12日 Yosemite (OSX 10.10)対応の更新プログラム有り。

PCの軽量化にむけてできること

同じPCを長年使っていると、必要に応じてソフトウェアをインストールしたり、ファイルが蓄積されます。ソフトウェアが不要になってアンインストール(削除)しても、そのソフトウェアで使っていたファイルまでは削除されませんので、思った以上にファイルも残っているものです。
Excelを利用する環境はもちろん、PCが軽量化されていると、OSやソフトウェアの動作も軽くなります。使わないファイルが必要でなければ、削除してしまいましょう。

不要なファイルを削除する


たとえば、Excelのファイルを削除する場合、ファイルの検索画面で「.xls」(ピリオドを付ける)を検索すると、PC内にあるExcelのファイルが一覧で表示されます。
更新日時やファイルサイズで不要なファイルを洗い出し、削除しましょう。

不要なソフトウェアを削除する


ソフトウェアは常時動いているものもあり、操作していなくてもPCのメモリに影響を与える場合もあります。使わないソフトウェアは削除してしまいましょう。
OSはお使いの環境と異なるかもしれませんが、下記が参考になりますので、不要なソフトウェアを削除しましょう。

動作の重いWindows Vistaを高速化するためには その3

まとめ

Microsoft Excelは日常的に皆さん使われている事と思います。 普段使う部分は簡単な操作であっても、積み重ねで容量が大きくなってしまう仕様でることは事実です。Excelの特性を理解し、上手くつきあうことで、安定してExcelを使っていきたいですね。

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