インターネットに接続できる端末があれば、残高照会、振込、投資などができるのがメリットのインターネットバンキング。ちょっとした買い物やオークションにも便利です。
いまや大手メガバンクを始め、多くの金融機関がインターネットバンキングに対応していて、利用者も増加しています。
ネットバンキングが無い時代には、わざわざ銀行の窓口やATMに行ったり、昼休みの時間や「五十日(ごとうび)」のタイミングだとものすごく混んでる中を行列待ちしないといけませんでした。
銀行の窓口やATM経由であれば口座通帳という形に残ったり、あるいはもともと届出印が別になっているので安心してそれら金融機関を利用することができました。
もちろん、今も窓口やATMも健在ですが、ネットバンキングを使いこなせると利用料の安さや手軽さから、銀行取引の多い方の場合はかなりの恩恵をうけられることになるということを、ご存知でしたか。
今回は、このネットバンキングを取り上げてまいります。
ネットバンキング利用のポイント
ネットバンキングで最も管理に気をつけるべきは「口座情報」です。
ネットバンキング口座の管理は、ネットバンクが管理するWEB通帳を元に行ないます。現物としての通帳はなく、キャッシュカードが発行されます。
ネットバンクにログインするためには、「契約者番号」や「ログインパスワード」、「取引パスワード」など、金融機関によってはさらにセキュリティ用のパスワードや「ワンタイムパスワード」と呼ばれる暗号化したパスワードを利用することもあります。
そして、実際の取引は、利用する口座の他にクレジットカードの情報、個人を特定できる氏名や住所の情報も入力することがあるはずです。
預金通帳がない、口座情報がいつ盗み出されるかわからない、といった不安材料のあるネットバンキングですから、最悪の事態にならないために対策を講じる必要があるわけです。
ネットバンキング被害の実例
インターネットバンキングで主に狙われるのは、
- インターネット経由
- メール経由
- バンキングに利用する情報機器経由
例えば、インターネット経由だと、たまたまダウンロードしたファイルや訪問したサイトにウイルスが潜んでいるケース。このケースで深刻なものになると、正規の金融機関窓口に行ってもウイルス感染で不正な入力画面が表示されて口座情報が盗まれてしまうこともありえます。
メール経由では、金融機関を装った偽メールが不正サイトに誘導する様になっていたり、自らがメールの誤送信により口座情報を流してしまうことも考えられます。
バンキングに利用する情報機器としては、
共用で利用するパソコンからネットバンキングを利用したために他の利用者に洩れてしまった、
スマホでネットバンキングを利用していたが盗難にあってネットバンキングに利用された、
ゲームもできる機器でネットバンキングをしていたために子供に利用された、などが考えられます。
脅威から身を守るためには?
普段から最新のセキュリティソフトを導入し更新を怠らないことや、プロバイダやメールシステムのスパムメールフィルタを利用することで通常では十分な効果があります。
ワンタイムパスワードを利用できるネットバンクであれば、ワンタイムパスワード(=時限式のパスワード)を1分ごとに発行して認証するので、危険性は格段に下がります。
また、口座情報や個人情報は厳重に管理し、必要のないところには出さないのが基本ですが、最近の例ではセキュリティやネットバンキングに詳しい人でもだまされるくらい巧妙なしくみを作られていることがありますので、ネットバンキング実行中は特に注意が必要です。
よく考えれば怪しいとわかることで言えば、
- 取引していない銀行からメールが来た。
- ネットバンク用に登録していないメールアドレス宛にメールが来た。
- 国内だが英文のメールが来た。
- 日本語がおかしい。
- メールアドレスが金融機関のドメインではなさそう。
- 金融機関の人間を装って暗証番号の問合せが来た。
- サイトが暗号化通信に対応していない。
情報発信の時に気をつける。
脅威がやってくることに対しては対策ができていても、最近は個人がホームページやブログ、SNSなどを利用している方も多いので、自らが知らないうちに大切な情報を発信してしまっていることもあります。
大事な情報は一気に取りに来られるのではなく、今日は誕生日、明日は出身地、など段階的に盗み出されたりしていれば、気づかないうちに口座番号まで聞かれていた、ということも考えられます。
また、入金を急いでいて、つい、いつもと違うパソコンでネットバンキングをしてしまった、ということも考えられます。
ネットカフェなどでネットバンキングをするのは論外ですが、社内や家族内であっても、普段から管理のできていない(セキュリティの甘い)機器からのネットバンキングは避けた方が良さそうです。
困った時は相談をする。
ネットバンキングができる金融機関は、相談(サポート)窓口が必ずあります。
何か不審に感じたり、口座残高に不審なところがあったり、異常に気づいたらすぐに金融機関に相談する方が良いでしょう。