無料通話やメッセージ、スタンプのやりとりが簡単にできるLINEは、若い世代を中心に広く利用されています。
平成27年度の総務省情報通信白書によれば、最近約1年以内に利用した経験のあるSNSを尋ねたところ、LINE(37.5%)、Facebook(35.3%)、Twitter(31.0%)の順となったそうです。
それぞれ実名(本名又はこれに準ずる氏名)、匿名(実名以外)のどちらで利用しているかを尋ねたところ、実名利用率(全利用者数に対する実名利用者数の比率)が高かったのはFacebook(84.8%)、LINE(62.8%)でした。
(「ICTが拓く未来社会」http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h27/html/nc242220.html より)
Twitterやmixiなどは匿名のアカウントで利用されるケースが多く、アカウントがあってもすぐに個人が特定されるとは限りません。
FacebookやLINEのように実名利用が基本となるSNSは、SNS上のやりとりの背景に実社会のつながりもあることが多いです。
SNSと実社会の距離が近いとなると、「もしなにかあったとき」に、実社会で被害者となる(または加害者となる)危険性を考えておく必要があります。 たとえば、1月に入ってから、メディアを賑わせている女性タレントと男性ミュージシャンの騒動などはLINEを利用していたために発覚したものであると言えます。
では、LINEから個人情報やトーク履歴などが漏れることがあるのでしょうか?
■ 登録メールアドレスとパスワードの厳重管理が基本
LINE株式会社では、今回の騒動を受け、アカウントのセキュリティに関するお知らせを公表しています。
「第三者によるLINEアカウントへのアクセス可能性に関する当社の見解について」(2016.01.22)によると、「ユーザーのスマートフォン端末およびLINEの登録メールアドレスとパスワードが適切に保護されていれば、自身が意図しない形でユーザー情報や、やり取りの内容が第三者に渡ることはありません。」とあります。
LINEを利用する際、利用者ご自身の「各端末の管理」、「登録メールアドレス」と「パスワード」の管理が適切に行なわれていれば、情報が漏れたりすることはない、ということです。
1月27日、LINEよりアップデート予定が公開され、2016年2月上旬に実施予定のアップデートでは、機種変更によるセキュリティがさらに高められることになります。
「機種変更後に電話番号が変更となる場合」または「Facebookログインを利用していて、かつスマートフォンが変更となる場合」に、機種変更前に「アカウントを引き継ぐ」手順が必要になるのと、引き継ぎ制限時間が24時間以内、という制約が加わります。
これに伴い、引き継ぎ時に必要だったPINコードの設定は廃止されます。
MNPによる機種変更の場合は、従来通りIDとパスワードを用いたログインとなるので、今回のアップデートの影響はありません。
■ 機種変更時の旧端末を要チェック
しかし、普段は気を付けていても、時には失敗してしまうこともあります。
たとえば、スマートフォンやタブレットを機種変更する際にそれは起こります。
LINEのアプリを新機種に新規インストールすると、LINEのトーク履歴は引き継がれません。
旧機種でのトーク履歴は引き継いでおきたいと思う人のほうが多いでしょう。
トーク履歴を引き継ぐには、iTunesを使って旧機種のデータをいったんバックアップし、そこから「復元」することでトーク履歴を活かしたまま、設定を特に変えることなく新機種でLINEを利用することができます。
ここで気を付けておかないといけないのは、「復元」でできた新旧携帯は「クローン」のような関係になっていることです。メッセージやスタンプは新旧機種に同様に送られます。
そして、お互いにログイン情報を送りあうようなことはありません。
つまり、旧機種を他の方が利用しているとアカウントの情報がそのまま洩れてしまいます。
機種変更した際は、旧機種については管理がおろそかになりがちですが、アプリを消去するか、パスワードなどのログイン情報を変更しておけば、セキュリティを確保したまま機種変更後にもLINEを楽しむことができます。
なお、パソコンからLINEを利用すると、ログイン時にスマートフォンにログイン履歴が届くので、どこからアクセスしているかわかるようになっています。
■ 盗難時に気をつけることは?
機種変更時以外では、スマートフォンやタブレットが盗難にあったりした際に情報が漏れる可能性があります。
IDとパスワードをスマートフォンやタブレットに記憶し、すぐにLINEを利用できる状態で、なおかつ端末のロックがかけられていない状態であれば、盗難にあったときにすぐに情報が漏れてしまいます。
悪意のある人の手に渡ってしまうと、すぐにアカウントが乗っ取られて悪用される可能性があります。
トラブルに巻き込まれない対策として、機器にロックをかけておくのはもちろんですが、覚えやすいパスワードやパターンを使っていると近い関係の人であれば簡単に推測されて不正利用される可能性もあります。
セキュリティソフトがあれば、盗難時にも安心
「各端末の管理」、「登録メールアドレス」と「パスワード」の管理がされたうえで、LINEなどのSNSを利用しましょう。
まさかの際に備えて、スマートフォンやタブレットを遠隔操作できるセキュリティソフトをインストールしておくのも、日頃のセキュリティ対策も行いながら、アカウント保護に役立ちます。