2012年の終盤にかけ、ESETのリサーチチームは、2013年に重要になることが予想されるマルウェアとサイバー犯罪のトレンドを話し合いました。ラテン・アメリカのチームがまず始めにおこなったのは、7年前のホワイトペーパーの話し合いの結果を出版することでした。
3年前、その情報の英語版が、ESETのワールドワイドブログで公開されることが決定しました。このホワイトペーパーで取り上げた予想の1つに、2013年にスマートフォンを標的とするマルウェアが再び大増殖するだろうという問題があります。
ESETでは、2012年の1年間、モバイルプラットフォームを標的とするマルウェアの動向を調査し、上の結論にたどり着きました。そして、その急増ぶりは2011年末の私たちの予想をはるかに上回るものだったことが分かりました。
ホワイトペーパーでは、この急増についてのより詳細な情報と私たちが収集したデータの分析をお送りしています。Androidを標的とするマルウェア・ファミリーはそれほど増えていませんが、その亜種の数には、深刻な増加が見られます。
その亜種は、すでに知られた特定の悪質プログラムを改変したものです。サイバー犯罪者らは、既知の脅威の構造とコードを改変し新規の脅威をつくり出しました。
狙いは、新しい有害な機能を付け加え、アンチウィルスプログラムの検出をくぐり抜けさせることです。下の図は2011年と2012年に、Androidを標的とするマルウェア・ファミリーのうち、最も蔓延している4種とその亜種の数を示しています。
ご覧の通り、Androidマルウェア・ファミリーの亜種は激増しています。これを受け、2012年のAndroidマルウェアの増加率は1年間でウクライナで78倍、ロシアで65倍、イランで48倍になっています。
このマルウェアはスマートフォンにはどんな害をなすのでしょうか?
基本的に、脅威は個人情報の搾取、ボットネット、SMSトロイの木馬の3グループに分類できます。ESETの調査によると、現在、SMSトロイの木馬が全Androidマルウェアの40%を占めています。
携帯電話に感染した後、SMSトロイの木馬は、プレミアムSMSの番号にメッセージを送信し、ユーザーに追加費用を支払わせます。もちろん利益は攻撃者のものになります。
もともとは東欧で最も活発だったSMSトロイの木馬ですが、近年世界中に広がってきました。たとえばAndroidを標的とする「Android/Boxer」の亜種が、世界63カ国で猛威をふるっています。この詳細は、2012 年11月29日の記事でご紹介したブログでご覧ください。
最初にご紹介したホワイトペーパーでも、2013年に重要になるトレンドについてさらに情報を提供しています。たとえば、マルウェアに感染したウェブサイトから感染が広がるという事例についてです。ダウンロード、公開はご自由にどうぞ「2013年のトレンド:モバイルマルウェアの急増(英語記事)」
2013年の皆さんの安心・安全に、ホワイトペーパーが一役買えるなら、幸いです。
出典:blog.eset.com