携帯サービスの広告をよく見てみると「帯域」という言葉も登場します。「プラチナバンド」「帯域」って何?と、ついていけていない人も多いのでは?ということで今回は「帯域」「プラチナバンド」についてご説明いたしましょう。
低い「帯域」ほど繋がりやすい!
まず、「帯域」というのは電波や信号の周波数範囲のことを指します。たとえばラジオを聞くとき、80MHz(メガヘルツ)などの周波数にチューニングしますが、この80MHzの前後も含めた周波数の幅を「帯域」といいます。
これまで多くの携帯やスマートフォンのサービスでは、1.5GHz〜2GHzの帯域が使われてきました。しかし、これらの帯域は電波がまっすぐ飛ぶ特徴があるため、ビルの間や部屋の中、山間部では電波が届きにくい状況にありました。
それを改善するために生み出されたのが700〜900MHzという低い周波数の帯域を使ったサービスで、遠くまで電波が届きやすく、建物などの障害物に遮られにくい性質を持ちます。このことから、勝ちの高い帯域(バンド)という意味で「プラチナバンド」と呼ばれています。
プラチナバンドの3つの特徴(エリア拡大/回りこんで届く/遠くまで繋がる)
※画像:Softbankサイトより
携帯3社におけるプラチナバンドのサービス
このプラチナバンドは、各携帯サービスでもさまざまな名称でサービス展開されています。まず、NTTドコモでは、2005年に「FOMAプラスエリア」という名称で800Mhz帯のサービスエリアを提供開始しました。また、LTE方式のXi(クロッシィ)においても800Mhz帯のサービスを展開しています。
auは、cdmaOne時代から800Mhz帯を使ったサービスを展開していました。2012年より、800MHzおよび1.5GHz帯を使った「au 4G LTE」のサービスを展開中。2014年以降は、さらに低い700MHz Low Bandsの免許が許可されたため、その帯域でのサービス開始を検討しているとのことです。
ソフトバンクモバイルは、2012年7月より「プラチナバンド」という名称で900MHz帯を使ったサービスを開始。前者二社に比べて後発組となるソフトバンクは、以前より「つながりにくい」「エリアが狭い」と不評だったが、このプラチナバンドの提供を開始したことで、ようやく前者二社と同等程度の電波品質になると期待されています。
プラチナバンドは、事業者によって提供されるものなので、利用者がプランを変更したり追加料金を支払う必要はありません。ただ、プラチナバンドを利用するには、プラチナバンド対応端末が必要となります(iPhoneやXperiaなど多くのスマートフォンが対応済み)。利用者の負担無しで、アクセス速度が早くなるのは嬉しい話といえるでしょう。