2014年12月8日月曜日

LINE特集⑥〜子供の利用編〜【子供同士のトラブル】

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スマートフォンが普及した今、LINEは誰もが知っているアプリの1つです。世界全国で5億人、日本国内でも5200万人がダウンロードしていてスマートフォンを利用しているユーザーのほとんどがLINEを使っている状況です。LINEは通話が無料で、スタンプが可愛く気軽に会話が出来、グループも作れるので友達とも楽しくわいわい出来るアプリです

そんな明るく楽しいLINE背景の裏に、LINEによるいじめが最近子供たちの間で深刻化しているのをご存知でしょうか。

相手の顔も見る事なく簡単に会話を楽しむことが出来ることから、軽い気持ちでブロックしたりされたり、わざとグループにいれてもらえない、既読がついているのに返事がないことに無視されているのかなと悩んでしまったりと、友達の目が気になってしかたがなくなり、LINEのことばかり考えて疲れたという声もよく聞きます。


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仲間はずれ
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最近は学校のクラス単位でLINEのグループが作られていたりすることも多いです。クラスのみんなでやり取りしていたはずなのに、自分の知らない所で「裏グループ」が作られていたり、普段の学校生活では知らない顔をしているのにLINEでは悪口を言いあったりと、陰湿なものがあるのが現実です。

先生や親に相談するにもチャットは簡単に削除することが出来、なかなか証拠に残らず解決に繋がりにくいため問題は深刻化してしまいます。

さらにLINEには「既読」という機能があります。メッセージを読むと自動的に「既読」の文字が表示され、相手に読んだ事が分かる仕組みです。

既読が付いたままなのになかなか返信がない「既読無視」や、返信しなくてはいけない義務感から、なかなか既読にすることが出来ない「未読」などでお互いがイライラしてしまい、これがきっかけで中高生の間では仲間はずれなどのいじめ問題に発展してしまいます。


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グループチャットでのいじめ
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LINEのグループチャットでは影響力のあるリーダー的存在の子が、特定の子を攻撃するような発言をすると周りのメンバーも同調して一緒に攻撃に加わってしまいます。LINEという閉鎖空間では世間一般的な正論が全て通るわけではありません。少しでも気に入らないと思えば、大勢で一人を攻撃してしまうのです。

顔も見えないために口調もきつくなったり、特定の人を攻撃することで自分は周りのグループの一員という安心感から、参加している本人はネット上での「いじめ」という自覚が薄かったりと問題視していないことも多いのが現状です。

また、おかしいなと感じている子も少しでも相手をかばうと次は自分が標的にされてしまうのではという不安もあるため、この悪循環からは抜けだせないのではないでしょうか。

いじめにあってしまった子もきっかけは様々かもしれませんが、チャット形式ということで短文であるがゆえに受取手が勘違いしてしまい、仲間はずれに発展してしまうこともあるようです。

(「映画、何で来るの?」→交通手段を聞いているのに、相手にどうして来るのかと聞いているような誤解を与えてしまいます。)




世界中で人気のLINEはヨーロッパやアメリカではいじめの話は聞きません。日本の子供は友人であっても、どこかで常に繋がっていないと不安になってしまう「繋がり願望」が強い傾向にあります。

「早く返事をしないといけない」「みんなに同調しなくてはいけない」という気持ちに追われ、常に依存症になっていってしまいます。そういった負の連鎖を断ち切り、不幸な事件に繋がらないために、私たち大人は子供に何ができるのでしょうか。

筆者もLINEをよく使っている1人です。今回とりあげたLINEで起こっているいじめは、「LINE」が問題なのではなく「ネット上のコミュニケーション」で起きるものだと思います。これは他のツールでも十分起こりえる問題です。

私たち大人が子供を守ってあげられるように、もっと視野を広げ、ネットによる圧力はネット上での話であって、リアルの世界はもっと広いのだよと教えてあげられるような相談の窓口になりたいものです。


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